RAID5とRAID6の違い
法人利用のNASで複数ディスクを組んでいても、構成によって「どこまでの故障に耐えられるか」は大きく異なります。
- RAID5:1台のディスク故障までは耐えられますが、リビルド中にもう1台故障すると復旧が困難になります(RAIDのリビルドに失敗した後に避けるべき操作も参照)
- RAID6:2台のディスクが同時に故障してもデータを保護できる構成です
QNAP公式ドキュメントでも、RAID6は「2台同時のディスク故障まで復旧できる」とされており、業務継続性を重視する法人利用ではRAID5よりRAID6が推奨される場面が多くなっています。
ホットスペアという仕組み
QNAP公式ドキュメントによると、ホットスペアディスクは通常時は使用されずデータも保存されません。RAIDグループ内のディスクが故障すると、自動的にホットスペアディスクへ切り替わり、「RAIDリビルド」という処理でデータがコピーされます。
設定の流れは次のとおりです。
1. NASに空きディスクが1台以上あることを確認する
2. ストレージ管理画面からRAID1・RAID5・RAID6・RAID10いずれかのグループを選択する
3. 「スペアディスクの設定」からホットスペアにするディスクを選ぶ
注意点:ホットスペアに選んだディスクは、設定時点で全データが削除されます。既に別の用途で使っているディスクをそのまま指定しないよう注意してください。
ホットスペアの最大のメリットは、担当者が気づく前に自動でリビルドが始まる点です。夜間や休日にディスクが故障しても、月曜の朝には既にリビルドが完了している、という運用が可能になります。
ディスク故障時の交換手順(公式手順の要点)
QNAP公式FAQでは、RAID1・5・6・10等でディスクを交換する際の手順として、次の点が明記されています。
- 交換前に必ずNASの全データをバックアップする
- ホットスワップに対応していない機種では、交換前に電源を切る必要がある
- ホットスペアが設定済みの場合は、故障ディスクを選択して「交換と取り外し」を実行すると自動で再構築が始まる
- ホットスペアが未設定の場合は、物理的にディスクを交換した後、新しいディスクをスペアとして設定してから再構築を開始する
RAID6・ホットスペアで「守れないもの」
RAID6やホットスペアは、あくまで「ディスク故障が起きても、業務を止めずに済む」ための仕組みです。次のようなケースは守れません。
- 誤って重要なフォルダやファイルを削除してしまった場合(RAIDはディスク故障対策であり、誤操作対策ではありません)
- ランサムウェア等でファイルが暗号化された場合(NAS上のデータごと影響を受けます)
- NAS本体の火災・水没・盗難等、物理的に全ディスクが同時に失われる場合
- 電源ユニットやコントローラー基板の故障(ディスクは無事でも、本体側の故障でアクセスできなくなることがあります)
これらに備えるには、RAID構成とは別に、外部(別の場所・別のNAS・クラウド等)へのバックアップが必要です。RAID6は「可用性(止まらないこと)」を高める仕組みであり、「バックアップ(データの複製を別に持つこと)」の代わりにはなりません。
よくある質問
# Q. RAID6にすればバックアップは不要になりますか?
いいえ。RAID6はディスク故障に対する保護であり、誤削除・ランサムウェア・本体の物理的な喪失には対応できません。RAID構成とは別に、外部へのバックアップを推奨します。
# Q. ホットスペアを設定すると、そのディスク分の容量は使えなくなりますか?
はい。ホットスペアに設定したディスクは待機専用となり、通常時のデータ保存には使われません。実効容量とのバランスを考慮して構成を検討してください。
# Q. 既にRAID5で運用しているNASを、後からRAID6に変更できますか?
機種やディスク構成によって可否・手順が異なります。データを保持したままの移行が可能な場合と、再構築が必要な場合があるため、変更前に必ずバックアップを取った上で、メーカー公式ドキュメントで対応可否を確認することをおすすめします。
