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容量偽装のSDカード・USBメモリ|「書けたのに読めない」の正体

まずこれだけ新しいカードは、大事な撮影に使う前に全容量へ書き込んで検証する

30秒で分かる結論

  • 実際は小容量のメモリに、大容量と認識させる細工をした製品が流通しています
  • 実容量を超えた分は書き込めたように見えて、実際には保存されていません
  • この形で失われたデータは、データ復旧では戻せません
⚠️今すぐ避けるべき操作
  • 相場より極端に安い大容量カードを、確認せずに本番で使わない
  • 唯一のコピーを、検証していないカードに保存しない
  • エラーが出たカードを、フォーマットして使い続けない
  • 偽装が疑われるカードに、復旧の費用をかけない

症状の危険度判定

低:接続や設定が原因かも中:認識が不安定高:異音・落下・水没など
危険度:

異音・落下・水没・焦げ臭・複数台の同時故障などが見られます。通電・再起動・分解は避け、専門業者への相談を強くおすすめします。


「書き込めたのに、後から壊れている」


こういう経験の相談があります。


  • 大容量のSDカードを安く買った
  • 動画や写真をコピーした。エラーは出なかった
  • 後日開こうとしたら、一部のファイルが再生できない・開けない
  • 古いファイルから順に壊れている、あるいは特定の時点以降が全部だめ

ドライブの故障ではなく、容量偽装の可能性があります。


何が起きているのか


実際には小容量のメモリチップを使いながら、大容量として認識されるよう細工した製品が流通しています。


たとえば、実容量が32GBしかないのに、PCやカメラからは1TBに見える。この状態で書き込むと、次のことが起きます。


  • 32GBを超えた分は、書き込めたように見える(エラーは出ない)
  • しかし実際には保存されていない、あるいは先頭から上書きされている
  • 管理情報だけが更新されるため、ファイル一覧には表示される
  • 開こうとして初めて、中身がないことが分かる

「エラーが出なかったから大丈夫」が通用しないのがこの問題の厄介なところです。


復旧では戻せない


はっきり書きます。この形で失われたデータは、データ復旧では取り戻せません。


理由は単純で、そもそも書き込まれていないからです。削除されたファイルは領域に残っていることがあるので復旧の余地がありますが、最初から記録されていないものは、どこにも存在しません。


復旧業者に依頼しても、費用に見合う結果は得られません。 偽装が疑われる場合、まずその判定をしてください。


判定する方法


購入したら、大事な用途に使う前に検証してください。


もっとも単純な方法は、全容量にデータを書き込んで、読み戻せるか確認することです。 実容量を超えた時点で、書き込みエラーが出るか、書き戻した内容が一致しなくなります。


この検証は「新品を使い始める前に1回」やっておけば済みます。 手間はかかりますが、大事な撮影の後に気づくより、はるかに安いです。


容量偽装の検証を目的としたツールが公開されていますが、出所の分からないソフトは実行しないでください。 単純な方法として、大きなファイルを実容量以上コピーし、コピー元とコピー先を比較するという確認でも判定できます。


買うときに気をつけること


相場から極端に外れた価格を疑ってください。 大容量の高速カードは、それなりの価格になります。「1TBが数百円」は成立しません。


販売元を確認してください。 マーケットプレイスでは、同じ商品ページでも出品者が複数いることがあります。


パッケージや印字の粗さも手がかりになりますが、精巧な模倣品もあります。 見た目での判断は当てになりません。検証するのが確実です。


症状が似ている他の原因


容量偽装以外にも、似た症状になる原因があります。切り分けが必要です。


カードの寿命:書き換え回数の限界に近づくと、書き込みエラーやデータ化けが起きます。ドライブレコーダーや監視カメラのように常時記録する用途では消耗が早くなります(ドライブレコーダーのSDカードエラー)。


書き込み中の電源断・抜き取り:ファイルシステムが壊れ、ファイルが開けなくなります。この場合は復旧の余地があります誤ってSDカードをフォーマットした動画ファイルが再生できない・写真が途中で灰色になる)。


接触不良・カードリーダーの問題:別のリーダー、別のPCで試してください。


物理破損:割れ・曲がりがある場合(USBメモリのコネクタが折れた・曲がった)。


偽装なら復旧不可、それ以外なら復旧の余地がある——この差が大きいので、フォーマットして使い続ける前に判定してください。


起きてしまったら


まず、そのカードを使うのを止めてください。 偽装でなかった場合、上書きで救えるものが減ります。


別の媒体にコピーできる分だけコピーしてください。 読めるファイルは先に確保します。


そのうえで判定してください。 偽装であれば、購入元への返品・返金の問題になります。販売サイトの窓口や、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。


偽装でなければ、復旧の検討に進みます。 ただし物理障害が疑われる場合(発熱、認識が不安定)は、試行を繰り返さず業者に相談してください(復旧ソフトを使う前のリスク)。


結局のところ


カードは消耗品で、しかも中身の品質が外から見えない部品です。


  • 新品は、本番前に検証する
  • 大事な記録は、撮影後すぐ別の場所へ移す
  • カードを唯一の保管先にしない

この3つで、この記事の内容はほぼ関係なくなります。 考え方はバックアップは「取っているつもり」が一番危ないと同じです。


よくある質問


# Q. フォーマットすれば正常に使えるようになりますか?


実容量は増えません。 フォーマットで表示上の容量が正しくなる場合もありますが、偽装された製品を信頼して使う理由はありません。


# Q. 有名メーカーのロゴが入っています。


模倣品の可能性があります。 ロゴは判断材料になりません。検証してください。


# Q. 一部のファイルは正常に開けます。


実容量の範囲に収まっていた分は無事という説明がつきます。それ以降のファイルが壊れているなら、偽装の疑いが強まります。


# Q. 復旧業者に見てもらう価値はありますか?


偽装が確定しているなら、ありません。 書き込まれていないデータは復旧できません。まず容量の検証をしてから判断してください。


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この記事について

トシぼう

ITインフラの運用・監視を本業とするエンジニアです。サーバーやストレージの障害対応を日常的に扱っています。 記事は機器メーカーやOSの公式サポート情報など、確認できる一次情報にもとづいて作成しています。 内容に誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせページからご連絡ください。確認の上、修正いたします。