HDD・SSD
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PCやHDDを捨てる前のデータ消去|「ゴミ箱を空にした」では消えていない

まずこれだけ廃棄・売却・譲渡の前に、消去の方法を決めてから作業する

30秒で分かる結論

  • 削除やフォーマットでは、データの実体は残っており復元される可能性があります
  • SSDはHDD用の消去ソフトが完全に機能しない場合があり、方法を分けて考える必要があります
  • 暗号化していた媒体は、復号鍵を確実に削除することで読み取れなくできます
⚠️今すぐ避けるべき操作
  • 「削除してフォーマットした」だけで手放さない
  • SSDに、HDD向けの消去ソフトをそのまま使わない
  • 処分を業者に任せる場合、消去の証明を確認せずに引き渡さない
  • 動作しない機器だから安全、と考えない(ドライブは読める場合があります)

症状の危険度判定

低:接続や設定が原因かも中:認識が不安定高:異音・落下・水没など
危険度:

認識が不安定、エラーが繰り返されるなどの症状です。それ以上の書き込みは止め、データの重要度に応じて専門相談を検討してください。


復旧できる=消えていない


このサイトでは、削除してしまったデータを取り戻す方法を扱っています。裏返せば、削除しただけでは消えていないということです。


ファイルを削除しても、「その領域を使ってよい」という印がつくだけで、実体はしばらく残ります。 フォーマットも同様で、管理情報を作り直すだけで、データ本体が消えるわけではありません。


つまり、削除・フォーマットして手放した機器から、データが復元される可能性があります。


個人であれば写真や書類、業務用であれば顧客情報や取引データ。手放した後は、誰が何をするか分かりません。


総務省が示す考え方


総務省は「安全なデータ・端末の廃棄」として、廃棄時の対応を案内しています。要点を整理します。


# 消去ソフトによる上書き


データ削除(消去)ソフトを使うことで、記録媒体内のファイルを復元できない形で消去できます。


ただし、SSDについては注意が必要です。総務省の案内でも、SSDにはHDD向けの消去ソフトが完全には機能しない場合があるため、専用のソフトを使うか、物理的な破壊を検討するという趣旨が示されています。


HDDとSSDでは、データの記録方式も、書き換えの仕組みも違います。 HDD向けの「全領域を上書きする」という発想が、SSDでは想定どおりに働かないことがあります。同じ方法で済ませないでください。


# 物理的な破壊


確実性が高いのは物理破壊です。総務省の案内では、シュレッダーや切断などで記録媒体を完全に破壊する方法、具体的にはHDDへの穿孔(穴あけ)、SSDの破砕といった手順が挙げられています。


個人でハンマーを使う場合、破片の飛散と怪我に注意してください。 また、表面のケースを壊しただけでは不十分で、内部のディスクやメモリチップまで破壊する必要があります。


# 暗号化していた場合


見落とされやすい、しかし合理的な方法があります。


総務省の資料によれば、記録が暗号化されていたHDD・SSDについては、復号に必要な鍵を確実に削除することで、記録内容を読み取れない状態にできます。 これにより、上書きの失敗や物理破壊の失敗によるリスクを排除できるとされています。


最初から暗号化して使っていれば、廃棄が楽になるということです。BitLocker(BitLockerの回復キーを求められた・紛失した)やFileVault(MacのSSDが暗号化されていて読めない)を有効にしておくことには、こういう副次的な利点もあります。


状況別の考え方


# 個人が古いPCを処分する


中身に何が入っているかを、まず思い出してください。 写真、確定申告のデータ、パスワードを保存したブラウザ、メールの履歴。


売却・譲渡するなら、消去ソフトによる上書きが現実的です。SSDの場合はメーカーが提供する専用ツール(Secure Eraseに相当する機能)を確認してください。


廃棄するだけなら、ドライブを取り出して物理破壊するのが確実です。取り出し方はPCが起動しない時、内蔵HDDだけ取り出して読み出す方法と同じ手順です。


パソコンの処分自体には、リサイクルの仕組みがあります。 回収に出す前に、データの処理だけは自分で済ませてください。


# 動作しないPCを処分する


「壊れているから読めないだろう」は成り立ちません。


PC本体が起動しなくても、ドライブ自体は無事であることがよくありますWindowsが起動しない)。取り出して別のPCに接続すれば読めます。


動作しない機器こそ、ドライブを取り出して物理破壊してください。


# 法人・業務用の機器


組織として手順を決めてください。


  • 誰が、どの機器を、いつ、どう処理したかを記録する
  • 業者に委託する場合、消去または破壊の証明書を受け取る
  • 証明書には、対象機器のシリアル番号など個体が特定できる情報が入っているかを確認する

「業者に渡したから終わり」ではありません。 渡した後に何が行われたかを説明できる状態にしてください。


個人データが含まれる機器から情報が漏えいした場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務になります(業務データが流出したかもしれない)。速報はおおむね3〜5日以内という短い期限です。


廃棄はセキュリティ事故の発生源になりうるという前提で扱ってください。


SDカード・USBメモリも同じ


小さい媒体ほど、無造作に捨てられます。


SDカード、USBメモリ、外付けHDDにも同じ考え方が必要です。 撮影データ、業務ファイル、バックアップ。「もう使わないから」と引き出しに放置するのも、紛失のリスクという意味では処分と変わりません。


特に、容量偽装品や寿命の来たカードを「壊れているから捨てる」場合も、読み出せる部分が残っている可能性を考えてください(容量偽装のSDカード・USBメモリ)。


よくある質問


# Q. 何回も上書きすれば安全ですか?


HDDについては、消去ソフトによる上書きが有効とされています。 一方、SSDでは上書きが想定どおりに働かない場合があるため、専用ツールか物理破壊を検討してください。


# Q. リサイクル業者に出せばやってくれますか?


業者によります。 データ消去まで含むのか、証明書が出るのかを事前に確認してください。含まれないまま渡すと、そのまま流通する可能性があります。


# Q. ドライブを取り出せない機種です。


近年のMacのようにストレージが基板と一体化した機種があります(MacのSSDが暗号化されていて読めない)。この場合、暗号化されていれば鍵の削除という方法が現実的です。判断がつかなければ、メーカーや専門業者に相談してください。


# Q. 譲渡した後に不安になりました。


譲渡先に事情を説明して、消去を依頼するか返却を求めるのが最初の選択肢です。業務データが含まれる場合は、漏えい時の報告義務も想定して対応してください。


参照した公的情報





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この記事について

トシぼう

ITインフラの運用・監視を本業とするエンジニアです。サーバーやストレージの障害対応を日常的に扱っています。 記事は機器メーカーやOSの公式サポート情報など、確認できる一次情報にもとづいて作成しています。 内容に誤りや古い情報を見つけた場合は、お問い合わせページからご連絡ください。確認の上、修正いたします。